2011年8月2日火曜日

The Voyages of Doctor Dolittle


読了しました。いわゆる「ドリトル先生航海記」です。長男(小2)と一緒に図書館に行ったときにこの本の日本語訳があったのを見つけて、私自身が小学生だったころにドリトル先生シリーズに随分とハマっていたことを思い出していたのです。大人になっても面白いお話でした。

ドリトル先生といえば、動物と話せるお医者さん。今となってはそんなに目新しい設定でもないのかもしれませんが、ストーリー展開はかなりぶっとんでいる。10歳のスタビンズ少年がケガをしたリスの治療のためにドリトル先生を探しあてて、先生の家に住み込んで動物の言葉を勉強するようになって、ついにはブラジル沖にある浮島「スパイダーモンキーアイランド」への航海に同行するという話。ドリトル先生が会いたいと切望している偉大なナチュラリスト、ロング・アローさんとか、大西洋のどこかにあるというものすごく深い穴とか、複線として配置された様々な謎が最後には見事に回収されてエンディングに向かいます。ドリトル先生がとある町の闘牛を止めさせる話とか、ドリトル先生が王様になってしまう話とかいった面白エピソードも満載で、面白いったらありゃしない。

ドリトル先生が巨大カタツムリと話すシーンがあるんですが、ドリトル先生はカタツムリ語を話せない。それで、ドリトル先生がイルカに話して、イルカがそれをウニに伝えて、ウニがそれをヒトデに伝えて、ヒトデさそれを巨大カタツムリに伝える。とんでもないホラ話なわけですが、すぐに「ドリトル先生は巨大カタツムリ語も話せる」という設定ではないところが妙にリアル。ドラえもんだったら、「翻訳こんにゃく」で一発解決なんですがね。王様になったドリトル先生の葛藤なんていうのもなかなか考えさせるものがある。

キンドル版ですが、作者のヒュー・ロフティング自身が手がけた挿絵もたくさん載っています。懐かしい。

ドリトル先生みたいな、見た目は大したことないんだけれど、本当はすごい実力をもっているというキャラクターは私のヒーロー像であるような気がします。刑事コロンボとかマスター・キートンとかね。友達少なそうな人ばかりですが。

画像はかの有名なオシツオサレツ(pushmi-pullyu)。オシツオサレツはこの本にも一瞬だけ登場しますが、この画像はなかったです。