2011年11月11日金曜日

The Surrendered


"The Surrendered"という本を読みました。うちのヨメさんのアメリカ人の友人がフェイスブックで「この本を読んで電車のなかで号泣しちゃった~」「実は私も~」みたいな盛り上がりをしていたというので、アメリカ人はどんな本を読んで泣くのかと思って購入。難しかった。作者は、Chang-Rae Leeという人です。

主要な登場人物は3人。朝鮮戦争で孤児になった韓国人の女の子。この女の子が入った米国人宣教師が運営する孤児院の院長さん夫人。孤児院で働く寡黙な元米兵。それぞれが戦争中の体験で心に傷を抱えています。でね、この3人がね。ややこしいんですよ。女の子が孤児院に入ったきっかけは、1人ぼっちになった女の子が偶然、元米兵(このときは現役の兵士)に会ったからなんです。で、女の子は元米兵に連れられて孤児院に行くんですね。多分。で、元米兵もこの孤児院で働き始めるんですよ。で、この元米兵は院長さん夫人と出会う。この院長さん夫人もややこしい人で、第二次世界大戦中の満州で暮らしていたことがあるんですが、このとき日本兵に恋人とか家族とかを殺されちゃっているんですね。それが原因なんだか知りませんが、元米兵と恋に落ちるんです。

あと話は1986年の米国とイタリアにも飛ぶんですよ。なんでかっていうと女の子は結局、米国にわたって元米兵と結婚するんですね。で、子供もできた。でも、すぐに離婚しちゃう。離婚しちゃったんだけど、骨董品屋をやって、まぁそこそこ成功する。でも、高校を卒業した子供は旅行に行くとか行って出ていったきり、帰ってこないんですよ。でね。この女の子、っていうかもう女性なんですが、ガンなんです。余命いくばくもない。ということで、元夫であるところの元米兵と一緒に子供を捜そうと、イタリアに行きます。

まぁ、ほかにも色々とエピソードがあるわけです。韓国人女性が離婚後に元米兵を探しだすために探偵雇うとかね。で、探偵はようやく元米兵を見つけるんだけど、元米兵は別に同居している女性がいるもんだから、イタリアなんかにゃ行かないよ、というわけです。でもね、結局2人は一緒にイタリアに行くんです。なぜかっていうと、探偵が車を運転している車が元米兵と同居している女性をひき殺しちゃって、探偵自身も車を街灯か何かにぶつけちゃって死ぬんですよ。すごい話だよね。

で。「で」ばっかりで恐縮なんですがね。こういったもろもろのエピソードが時系列をぐちゃぐちゃにして語られるんです。最初は朝鮮戦争中の朝鮮半島。次は満州。次ぎはまた朝鮮半島。米国。イタリア。満州。みたいなね。ややこしい。極めてややこしい。

それとここからが大問題なんですが、やっぱ私の単語力が追い付かない。知らない単語があっても、スピード重視で読み飛ばして大意をつかもうと心がけているんですが、これだけ知らない単語が出てくると困る。特に微妙な心理描写と、アクションシーンですね。このあたりは何がなんだか分からない。あと、朝鮮半島とか満州でのエピソードは凄惨なんで、気が滅入る。朝からこんな話読みたくない。


そういえば、中学校を卒業したとき、パールバックの「大地」という本を読んだことがあります。入学する高校で、「春休み中に読んでおけ」みたいなことになっていたからです。今回と同じように訳が分からなかった。


ということで、泣けませんでした。泣きたくはなりましたけど。