2017年6月16日金曜日

"The Ax"

"The Ax"という小説を読んだ。Donald Westlakeが1997年に書いた作品です。ウエストレイクはエドガー賞を3度獲ったほどの著名作家です。私は全然知りませんでしたが。

私はもともとミステリーが好きで、これまでJ.A. Konrathの本を読んでいたのですが、どうもこの人の本はジョーク満載で面白いんだけど、描写がグロいところがあって、なんか食傷気味になってきたところでした。

そこで、以前読んだ本のなかで、Konrath自身が好きだと書いていた作家をピックアップして、そのなかから、私が気に入るような作家を捜してみようと思ったのです。

Konrathが好きだと書いていた作家は6人。

Janet Evanovich
Rovert Parker
Lawrence Block
Robert Crais
Donald Westlake
Ridley Pearson


一人も読んだことがないので「このミステリーがすごい!」の過去のランキングを調べてみたところ、このうち、ローレンス・ブロックと、ウエストレイクは過去に何度もトップ10に入っています。

2013年10位のローレンス・ブロック「償いの報酬」A Drop of the Hard Stuff (Matthew Scudder 17)

2004年5位のドナルド・ウエストレイク「鉤」The Hook(2000, シリーズなし)

2002年4位のドナルド・ウエストレイク「斧」The Ax(1997, シリーズなし)

1998年9位のドナルド・ウエストレイク「天から降ってきた泥棒」Good Behavior (1985, Dortmunder)

1995年3位のドナルド・ウエストレイク「踊る黄金像」Dancing Aztecs(1976, シリーズなし)

1994年6位のローレンス・ブロック「倒錯の舞踏」A Dance at the Slaughterhouse (Matthew Scudder 9)

1993年2位のローレンス・ブロック「墓場への切符」A Ticket to the Boneyard (Matthew Scudder 8)

じゃぁ、このなかからどれを読むかということですが、シリーズものじゃない、比較的新しいという基準で"The Ax"を選んだ。"The Hook"を選ばなかった理由は忘れた。


で、肝心の読んでみた感想ですが、Konrathの作品とは正反対で「ジョークは一切無く、グロさもほとんどない」といった作風です。1990年台半ばのコネチカット、ニューヨーク、マサチューセッツを舞台にして、製紙メーカーをリストラされた男が殺人を繰り返すという話。一貫して犯人の視点で書かれているので、ミステリーではありません。本当に淡々と話が進んでいきます。

じゃぁ、面白くないかというと、そうではなくて、なかなか読ませます。リストラされた男が殺人を始めるまでの屈折した心理とか、家族との関係とか、ターゲットに対する心情とか、だんだんと犯罪慣れしていく様子とかが詳細に描かれていきます。描写がグロいわけじゃないですが、犯人の身勝手な理屈はなかなかにグロテスクです。また、この男をリストラした会社はコネチカットの工場を閉めて、カナダに製造拠点を移したという設定になっています。NAFTA(1994年発効)なんかも言及されていて、今日的な話題である「米国における製造業の衰退」なんていうテーマも重ね合わせてしまいますね。

淡々と話は進みますが、ラストにどうなるかは最後まで分かりません。そういった意味でも面白い。


ウエストレイクは多作な人みたいなので、しばらく楽しめそう。

2017年6月13日火曜日

TOEFL(10回目)結果

TOEFL10回目の結果が出ました。

Reading29, Listening30, Speaking17, Writing22で、98点

9回目が Reading26, Listening27, Speaking15, Writing22 で、90点
8回目が Reading29, Listening27, Speaking17, Writing21 で、94点
7回目が Reading26, Listening24, Speaking19, Writing20 で、89点
6回目が Reading26, Listening26, Speaking15, Writing21 で、88点
5回目が Reading23, Listening26, Speaking15, Writing20 で、84点
4回目が Reading25, Listening21, Speaking15, Writing18 で、79点
3回目が Reading14, Listening19, Speaking17, Writing15 で、65点
2回目が Reading20, Listening21, Speaking13, Writing17 で、71点
1回目は Reading10, Listening18, Speaking10, Writing14 で、52点


わはは。これはつまり、SpeakingとWritingが全然上がっていない、というやつです。
Speakingで過去最高点(19)が出ていれば、100点に届いたのに。
まぁ、最高点が19点っていうのは、なかなかに情けない話ですけど。

受験時の予想が100点前後だったので、予想通りの結果といえます。(本当は100点超期待していたけど)
インプット系のReadingとListeningに自信があったのは間違いじゃないかった。
アウトプット系(特にSpeaking)に不安があったのも間違いじゃなかった。

そしてインプットの向上がアウトプットの点を後押ししてくれるというのは幻想だった。

ということで、TOEFLで100点超をとろうと思ったら、アウトプットの向上が不可欠ということです。
そのためにはアウトプットを意識的に練習することが必要だということです。
7年ぶり10回目の受験にして、当たり前の知見を得ることになりました。


ただ、ちょっと言い訳させてもらうと、2015年11月に英検1級には合格しているんですよ。
このときの2次試験(面接形式)は100点中82点。
内訳は、short speech 27/30、 interaction 27/30、grammar and vocabulary 16/20、pronunciation 12/20。
ネイティブスピーカーとコミュニケーションを取れるだけの能力がないわけじゃないんだと思うんですよね。っていうか、そう信じたい。

英検の2次は面接形式だから、こちらの発言の趣旨がうまく伝わらなくても、面接者が追加質問してくれるので、それに答えることで考えを伝えられます。
あと、周りに人もいないし、制限時間もシビアではないので、ゆっくりとハキハキと話すことができます。

でもTOEFLの場合は、制限時間1分の枠内で、マイクに向かって話すという形式ですから、より高度なスピーキングのスキルが求められる。
周りに他の受験者がいるので、なんかこっぱずかしい感じもある。他の受験者がリスニングしているのに、下手な発音で話すのって何かアレじゃないですか。


くっそぉ。悔しいなぁ。でも「取りこぼし」があったわけじゃないから、すぐに再チャレンジしても成果は期待できない。
100点超めざすなら、TOEFLのスピーキング対策をとる必要があるんだと思います。
それと、やっぱり発音をもうちょっと向上させないとダメなんだろうな。練習してないからな。


このあたりが向上した自信がつけば、再受験するかも。でも、どうやったら自信をつけられるかは分からない。

2017年6月4日日曜日

TOEFL(10回目)受験

TOEFLを受けてみた。前回は2010年6月。7年ぶり10回目。

これまでの結果は以下の通り。

9回目が Reading26, Listening27, Speaking15, Writing22 で、90点
8回目が Reading29, Listening27, Speaking17, Writing21 で、94点
7回目が Reading26, Listening24, Speaking19, Writing20 で、89点
6回目が Reading26, Listening26, Speaking15, Writing21 で、88点
5回目が Reading23, Listening26, Speaking15, Writing20 で、84点
4回目が Reading25, Listening21, Speaking15, Writing18 で、79点
3回目が Reading14, Listening19,Speaking17,Writing15 で、65点
2回目が Reading20, Listening21, Speaking13, Writing17 で、71点
1回目は Reading10, Listening18, Speaking10, Writing14 で、52点

8回目が留学前の最後。9回目は留学の最終盤に受けたものです。
留学の最終盤の方が留学前より点が下がっています。スピーキングが悪くなってんのね。


9回目の受験時のブログ
9回目の結果のブログ


受験の感想としては、リスニングの精度はこれまで以上に上がっていると思うんですね。
全部分かる。「うんうん、分かった、分かった。もういいよ。で、何が聞きたいの?」って思うぐらい分かる。
もっと言えば、「どうせ、こういうことを聞くんでしょ」っていうぐらいまで思う。

リスニングパート自体の点はもう27点とかになっているから、それほど上積みは期待できません。
でも、スピーキングとライティングのパートでも、出題には会話や講義の音声が含まれるわけだから、
このリスニングの精度の高さは大きな前進だと思います。

ただ、問題はアウトプットですよね。

そりゃ、最高点だった8回目(留学前)と比べても、さらに合計5年の米国生活が積み重なっていますから、
アウトプットの点でもレベルは上がっているんだとは思う。そう思いたい。

でもスピーキングとかね。やっぱね。ダメだね。
一応、答えるべきことは分かっているけど、スムーズにペラペラと話せるわけじゃない。
とりあえず言葉は口から出てくる。でも、それを文章として完成させようとすると、
ちょっと考える時間が必要だったり、文法的にねじれが生じてしまったりといった感じです。
制限時間があるので、このあたりはなかなか難しい。
会話の要約する部分で時間を使いすぎて、自分の意見を述べる部分が早口になってしまうこともあった
まぁ、実生活では制限時間付で英語を話す機会はあまりないですどね。

発音は普通です。特に練習したことないですし、ネイティブみたいに話すつもりもない。

ライティングも、出題が終われば、書くべきことが頭に浮かんで、すぐに書き出すことができた。
単語数も、意識しなくても、出題時に示される適切な語数をちょっと超えるぐらいになった。
ざっと書いて、読み直したら、ちょうど時間が終わるぐらいの感覚です。


ということで、そんなにひどい点ではないと思う。

それぞれのセクションで自己新がでれば、Reading29、Listening27、Speaking19、Writing22で、97点。
ここから、SpeakingとWritingがどのぐらい上乗せされていて、
ReadingとListeningでどれぐらい取りこぼしているかっていう感じでしょうか。

プラスマイナスが同じぐらいであれば97点ですが、
受験してみた感覚としては、100点前後っていう予想。
スピーキングやライティングのアウトップットのスキルが上がっているわけじゃないですけど、
出題時のインプットの精度があがっていることが点数を後押ししてくれていると信じたい。

まぁ、赤っ恥をかくことは覚悟のうえです。


受験前は、これで100点超えてなければ、もう一度チャレンジしようかと思いましたが、
まぁ、今回以上のパフォーマンスが出ることもないでしょうから、100点未満でも受け入れます。

受験時間は3時間半ぐらい。長い。疲れる。受験料は195ドル。昔より高くなっていないか?