2018年5月31日木曜日

420円ちょうど

No.50

コンビニで418円の買い物をして420円を払ったら、「420円ちょうど頂きます」と言われた。

反射的に「あ、2円」と言ったのだが、心の中にやってきたのは微妙な後ろめたさと恥ずかしさ。そのままの勢いで「418円ですよね」とも言ったが、自分で自分に「たかだか2円ぐらいで必死になるなよ」と突っ込んでしまう。

店員さんは、しばらく自分の間違いに気づかずに、きょとんとした表情をしていたのだが、その間にも、恥ずかしさが募る。「お前が間違えて、なんで俺が恥ずかしがらなきゃならんのだ」と怒りも沸くが、ここで語気を強めるようなことをしてしまえば、ますます2円ごときで必死になっている男の姿が浮かび上がることになる。

時間にすればわずか数秒のことだったろう。おそらく、周りの人もそれほど気にはしていなかっただろう。それでも自分の度量の狭さをさらけ出したショックは大きい。


2005/9/8

シコ名

No.49

「琴欧州」というシコ名は大雑把すぎやしないだろうか。

力士のシコ名に出身地の地名をつける慣習があるのは分かるが、果たして彼の出身地を欧州と言ってしまっていいのか。ブルガリア出身なのだから、琴武流牙とかなんとかもうちょっと考えてやっていいのではないか。ブルガリアを代表する山の名前とか川の名前とかいろいろあるだろうに。本人だって、親方から初めて「お前のシコ名は琴欧州だ」と言われたときは、心の中で「もうちょっと絞り込んでくれよ」と思ったはずだ。

海外に行けば日本人も中国人も韓国人も一緒にされてしまうという話を聞いたこともあるが、そこはやはり、出身国別に認識してあげるのが人情というものだと思う。

バラエティ番組で見かけた琴欧州が人の良さそうな好青年だっただけに、「本当はシコ名が気に入っていないんだろうな」と思えてならない。


2005/9/7

歩き方

No.48

すごいガニ股で歩いている女性の後姿を見た。

赤いスーツの上下を着ているので、目だって仕方がない。隣を男性が歩いているのだが、この男性は女性のガニ股に気づいているのだろうか。別に恋仲という感じではなさそうだが、隣を歩いている女性がこれだけガニ股だと、
何か思うところがあるではと心配してしまう。

そんなことを言っている私も、歩き方ではよく注意される。「肩で風を切って歩いている」とか「ひょこひょこ歩いている」とか。大学時代には「高校時代に会ってたら、絶対に殴っていた」とまで言われたぐらいだ。なんせ自分の歩いている姿を客観的に見たことがないので、なんとも反応に困るのだが、私は私で変わった歩き方をしているのだろう。そういえば、信号待ちをしているとき、後ろからやってきた先輩に、「ものすごくうつむいて立っている人がいると思ったら、君だった」と指摘されたこともある。

いろいろ思い出したら、女性のガニ股にも寛容な気分になってきた。歩き方についてつべこべ文句を言う人は、心が狭いと思う。


2005/9/6

ビズ アイス

No.47

職場で口にするものとしては、どこまでが許されるのだろうか。

コーヒーとかはもちろんOKだろう。ジュースぐらいもいいのではないだろうか。でも、ビールは許されない。おそらく、ノンアルコールビールもだめだろう。食べ物でいうなら、クッキーとかせんべいは大丈夫。おにぎりとかでも、「ああ、忙しいんだろうな」というぐらいで許してもらえると思う。スナック菓子については微妙なところだが、女性ならOK、男性ならアウトという感じだ。

ここで微妙なのは、アイスクリームの存在である。別に、仕事に差し障りがあるわけではないのだろうけど、なんとなく不謹慎な印象はぬぐえない。「大人の職場でアイスかよ」という感じだ。アイスクリームの楽しげなイメージが、職場にはそぐわないというような気がして、私は職場でアイスクリームを食べる勇気がない。

ただ、今の職場にはアイスを食べている人もいる。うらやましくって仕方がない。

環境庁かどっかが、「ビズ アイス」とかなんとか提唱してくれないだろうか。


2005/9/5

新しい定理

No.46

夕方になるとやたらとビールが飲みたくなる。クールビズのせいだ。

職場がクールビズを導入したころは、実際はそれほど冷房の温度は上げてなかったと思う。ところが最近になって本気で冷房温度を上げたらしく、午後になるとうちわが手放せない。パタパタやりながら仕事をしていると、どうしても午後6時ぐらいをすぎると、「あーーーっ。ビール飲みてぇーーーっ」ということになるのだ。

きっと、クールビズを導入した職場なら、どこでも事情は同じだろう。同僚同士で、「ちょっと飲みに行くか?」なんていう会話も増えたはずだ。今や死語となった「飲みニケーション」の復活である。職場の風通しもよくなり、会社の活力も増し、飲み屋街にも人通りが戻って、いいことだらけではないか。

職場が暑いと職場の連帯感が強まる。新しい定理として、ここに発表したい。


2005/9/2

2018年5月22日火曜日

落ち着いて用を足したい

No.45

ウォシュレットの使い方が分からない。

自宅のトイレも職場のトイレにもウォシュレットがついている。実家に帰ったら、実家のトイレまでもウォシュレットになっていた。私は特にウォシュレットの必要性は感じないので使わないでいるが、ここまでウォシュレットが普及すると、使わなければいけないものなのかと思えてくる。

実は一度試しに使ってみたことがあるのだが、便座の背中側がびしょぬれになった。そのままにしておけば次の人に悪いので、トイレットペーパーでふき取ったのだが、なんだか面倒臭いなぁと思った覚えがある。乾かすのに時間がかかって、うるさいのも不満だ。「ちゃんとウォシュレット使えるかな」なんて不安に思っていたら、トイレの中で緊張しっぱなしということになってしまう。

時代遅れだとか、不潔だとか、そんなことはどうでもいい。私は落ち着いて用を足したいだけだ。


2005/9/1

荒木経惟のノブ

No.44

荒木経惟という問題もある。

有名な写真家なのだが、名前の読み方が分からない。仕方がないので、活字でこの名前を見かけると、心のなかでは「アラーキー」と読む。音読せよと言われればごまかしようがないのだが、これでなんとか乗り切ることができる。
言い訳のように心の中で、「あぁ、あの写真家ね。変な髪形で、サングラスかけた。奥さんが病気かなんかで亡くなったんだよね」なんて確認はするが、名前の読み方を知らないという現実には背を向けたままだ。

そんなわけで、普段の会話のなかでこの人が話題になることはない。新聞とか雑誌では割と頻繁に見かけるのに話題にのぼらないのは、名前の読み方の難しさが一因だと思う。「アラーキーがね、」なんて話を切り出す奴がいたら、
名前の読み方も知らないくせに知ったかぶりをしようとしている奴とみていい。

調べてみて分かったのだが、「あらきのぶよし」らしい。難しいにもほどがある。

せっかくなので今後、「経」という字を「荒木経惟のノブ」と説明して、優越感を味わいたい。


2005/8/31

志賀直哉のヤ

No.43

「哉」という字を「志賀直哉のヤ」と説明することが多い。

でも、志賀直哉ってそんなに有名だろうか。昔、国語の授業で習ったことは確かだ。「暗夜行路」とか「城の崎にて」の人だということは覚えている。でも、そもそも暗夜行路なんて読んだことないし、城の崎にてだって、「なんか変な話だったな」という程度の印象だ。夏目漱石とか太宰治とかに比べれば、はるかに知名度は低いだろう。

「哉」を使う有名人といえば、小室哲哉の方が知名度は高いと思うが、それでも、世の中の人は「小室哲哉のヤ」と言わない。やっぱり「哉」は「志賀直哉のヤ」だ。

今、思いついたのだが、「小室哲哉のヤ」と言わないのは、小室哲哉の微妙なイメージに原因があるような気がする。確かにヒットメーカーではあったのだろうが、微妙にB級。やっぱり坂本龍一には追いつけていない。「小室哲哉のヤ」と言われたら、思わず、「コムロテツヤって」と突っ込みたくなるだろう。多分、言っている方も半笑いだと思う。

漢字の説明で名前が引用されるようになるには、ステータスが必要なんだと思う。


2005/8/30

スパムメール

No.42

スパムメールの数が尋常じゃない。

この週末は、64通届いたメールのほとんどがスパムメールだった。「マジで会えるんです!!」とか「愛人契約成立しました」とかいったものがほとんどだ。誰がひっかかるんだろうと思うけれど、なかには、「お問い合わせの
件です」とか「青木です」とかいったのもあって、少し手が込んでいる。こういうタイプにもまずひっかかることはないのだけれど、これをスパムだと判断する習慣がつくと、本当に仕事関連のメールを削除してしまうこともある。

こうして日々、スパムメールの削除を続けていると、その多さに驚くと同時に、実際に意味のあるメールの少なさにも気づかされる。

誰も私に対して連絡をとろうと思ってくれないのだろうか。不安だ。


2005/8/29

アネックス

No.41

「アネックス」という言葉は、微妙にうさんくさい。

大型電気店なんかの名前によく使われるような印象がある。「なんとか電気本館アネックス」という感じだ。おそらく「別館」という意味なのだろう。なんとなく知っているのだが、何語なのかと聞かれると全く自信がない。

英語だろうか。でも、「アネックス」って、なんだか変身ヒーローみたいな語感だ。「ウルトラマンアネックス」とかいそうじゃないか。本当は英語でなくて、どっかの電気屋が考えた和製英語というような気もする。もしくはラテン語とか。フランス語とかイタリア語ではないだろうけど、なんとなく英語ではないような気もする。

そう思って調べてみたら、「ANNEX」と綴るちゃんとした英語だった。意味は「別館」で、間違っていない。

ただ、「《おどけて》…を横領する,盗む」という意味もあるところをみると、やっぱりちょっとうさんくさい。


2005/8/26

SFの世界

No.40

100歳まで生きたらどうしよう。

大体60歳で定年退職になったとして、そこから40年もある。何をして楽しめばいいだろう。ワクワクするような気もするし、「40年もやることねぇよ」というような気もする。そもそも、現段階でも40年もは生きていないのだから、想像つかないのも当たり前だろう。

やっぱりお腹もすくんだろうな。これってすごいことだ。100年も毎日、同じことをするなんて。一日3食食べるとすると、3×365×100=109500だから、10万9500食である。そんなに献立を考えるのも大変だ。困っちゃうな。

1日7時間寝ているとしたら、7×365×100=25万5500時間! SFだ。SFに出てくるような時間だ。

100年生きると、SFの世界に入るんだと思うことにする。


2005/8/25

英語コンプレックス

No.39

英語に関してはあきらめの境地にある。

英語が使えれば便利だとは思うが、特段、使えなければ困るような状況にはない。昔は英語で書かれた本とか、洋楽の歌詞が分かればいいなと思ったりもしたが、日本の本や歌詞でも十分に素晴らしい。所詮は日本人なのだから、日本の生活や文化を背景にした作品の方が楽しめるのは当然だ。

それに日本発の作品がいくつもハリウッド映画になったりしているのをみると、洋画見るヒマがあったら邦画を見たほうが良いとも思える。大体、ハリウッド映画なんてワンパターンだし、出演者を見ただけで展開と結末が分かるケースも多い。面白い映画もあるにはあるだろうが、エンターテイメントを求めるのなら、日本の小説を読んだほうが充実度は高いだろう。読みたいと思いながら読めていない本なんてものは、数えきれないほどある。

ただ、そんなことを考えながらも、年に何回か英語教材を買ってしまう。

コンプレックスとはこういうことだなと、しみじみ思う。


2005/8/24