2018年2月11日日曜日

傘がない

No.13

先日、職場の傘立てに置いておいた傘がなくなった。

このことを職場の先輩に話すと、「自分だったら、他の傘を持って帰る。傘は天下の回りモノだ」との返事。
世の中そんなもんかとも思うが、気の小さい私には、なかなかそのような豪胆なことはできない。

それ以来、晴れの日も雨の日も傘立てを覗き込んでいる。戻されている様子はない。
なくなったのと同じ色の傘を持っている人がいると、傘を凝視している自分に気づく。
「こいつが傘を盗ったのではないか」。どんどん人を疑う心が染み付いていっている。
コンビニで買った1000円の傘に、自分の心の狭さを証明されたかのようだ。

こんなことなら、他の傘を持って帰ってしまった方がいさぎよかったかもしれない。

ダークサイドに落ちてしまいそうだ。


2005/7/11

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