2018年7月21日土曜日

なかんだかりさん

No.70

電話で話した相手の名前を確認したら、「なかんだかりさん」だった。

間違えて覚えると後でややこしいかなと思ったので、「どういう字を書くんですか」と確認したら、「説明しにくいんです。以前、送った書類に名前を書いたかもしれません」とだけの返事だった。あとで書類を確認したら、名前は書いていなかった。

きっとややこしい字なのだろう。相手に散々説明させて、結局、「分からないですね」という結論になることは目に見えている。そんな気まずいムードになるのは嫌だし、これだけ珍しい名前だと多少間違っても個人は特定できるだろうから、「なかんだかりさんですね」と念を押すだけにしておいた。

ある日、ふと、このことを思い出して、インターネットで検索してみた。「仲村渠」と書く沖縄にある苗字で、ヤフー検索で643件ヒットした。変わった苗字の中ではかなりメジャーらしい。こんなことなら、書き方を確認したときに、「ネットで検索して下さい」といってくれれば、良かったのにとも思うが、きっとあの人は苗字のことに触れられるのにあきあきしていたのだと思う。

今度、話す機会があっても、「なかんだかりさんですね」と聞き流して、「沖縄の苗字ですよね」なんて馬鹿な発言はしないようにしたい。


2005/10/11

面白い話などない

No.69

名刺を交換した相手が珍しい苗字だからといって、「珍しい苗字ですね」というのは止めにしてもらいたい。

私も少し珍しい苗字なのだが、「珍しい苗字ですね」と言われて嬉しかったことは一度もない。相手としては、そう一言いえば会話が弾むとでも思っているのかもしれないが、珍しい苗字を持っていれば、自分の苗字について薀蓄を語れるというわけではないのだ。

名前なら、由来とかなんとかを親から聞いたこともあるかもしれないが、苗字の由来なんて調べるのも大変だし、例え分かったとしても面白くともないケースがほとんどではないか。例え面白いエピソードがあったとしても、話す方は飽き飽きしているはずだ。ニコニコしながらも、心の中には「またかよ」と毒づいていると請け合う。

「珍しい苗字ですね」と話を振るからには、そちらの方で面白い話の一つや二つは用意しておいてもらいたい。そういう話が無いのなら、こちらにも無いと思っておいて欲しい。


2005/10/7

妄想が止まらない

No.68

ビール会社のキャンペーンに応募してしまった。シールを集めれて応募すれば、日本全国の「うまいもの」が当たるというやつだ。

昔はこの手のキャンペーンに全く興味がなかった。パソコンとか車とか海外旅行とか、そういう高額商品なら欲しいと思ったが、「食べ物なんてどうでもいい。どうせ1万円もあれば買えるんだから」なんていう感覚だった。

それが最近は「うまいもの」が「当たる」と聞かされるとぐっとくるものがある。別にグルメになったとかそういうわけではなく、「1万円を食べ物に使うことは勇気のいることだ」という事実を知ったからだ。

1万円あれば、何度昼飯が食べられるだろう。っていうか、毎日の昼飯のグレードをちょっとだけアップできるのではないだろうか。コーヒーセットにしてみたりとか。うなぎをダブルにしてみたりとか。

器の小ささを露呈していることは分かっているが、妄想が止まらない。


2005/10/6

ケチくさい奴

No.67

コンビニで、おにぎり2個と肉まんとお茶を買った。581円した。

なんだろう、この微妙な値段。どの商品も「100円程度」というイメージで買ったのだが、実は全部「150円程度」していたということだ。別に581円が高いというわけではないのだが、なんかこう「おにぎりと肉まん程度で600円かよ」という釈然としない気分になってしまう。

昨晩飲みすぎたせいで食欲がなかったのだが、こんなことならちゃんとした定食でも食べればよかった。例え750円とか800円といった値段を払ったとしても、こんな気分になることはなかっただろう。

明日の昼飯は慎重に吟味して決定したい。あと、コンビニでくよくよ悩んでいる男を見たら、「ケチくさい奴」と思わずに、暖かく見守って欲しい。


2005/10/5

大人になりたい

No.66

また、道を尋ねられた。

今度の質問は、「東京駅はどこですか?」。英語でいうなら、"Where is the Tokyo Station? " だ。これぐらいなら、私にでも分かる。自信を持って、「この道をまっすぐ行けば、右側に見える」と教えた。

ただ、教えたときの態度がまずかったな、と思う。声をかけられた瞬間、ちょっと緊張したせいもあって、「東京駅は・・・」と聞いた瞬間、思わず、くすっと笑ってしまったのだ。道を尋ねてきたのは、感じのいい若者二人組だった。それなのに、ちょっと「そんなことも知らないのか?」といったような態度だったかもしれない。

いや、そうじゃないんだ。決して、東京駅を知らないことを馬鹿にしているわけじゃないんだ。緊張していたから。緊張していたから、ちょっと笑ったような感じになってしまったんだよ、と言い訳したい気分だ。

道を教えることはかくも難しい。早く、立派に道を教えることができる大人になりたいものだ。


2005/10/4

ワカメちゃんのパンツ

No.65

スカートが滅茶苦茶に短い女子高生を見た。

遠くからしか確認していないが、ワカメちゃんレベルだったと言っていい。あそこまで短い女子高生がいることを知ってしまうと、女子高生のパンツの盗撮をしている人の気が知れなくなる。

これまでは盗撮犯に対しては、「出来心ってヤツだろうな」と比較的寛容だった私だが、あの女子高生を見てから、「見せる方も見せる方だが、見ようとする奴も見ようとする奴だ」と怒りすら感じるようになった。ワカメちゃんのパンツを見て欲情するようになったら、人間おしまいである。ちなみに私はマライヤ・キャリーの露出度の高い衣装にも怒りを感じる。本人に会ったら、アホかといいたい。

もしかしたら盗撮犯も、こんなパンツ見せ女子高生などには興味がないのかもしれない。

そうでなければ、彼らを許すわけにはいかない。


2005/10/3

器が小さい

No.64

大河ドラマとか歴史ドキュメントの番組で戦国時代がとり上げられることが多い。

あれは果たしてどうなのだろうか。信長がなんとかの戦いで大勝利を収めたとか、三成は最後まで徳川軍と戦い抜いたとか、まるで美談であるかのように語っている。でも、その戦で沢山の雑兵たちが死んでるじゃないか。大河ドラマなんかで大物俳優が迫真の演技で無念の表情を作っていたとしても、「お前より、その辺に転がっているおっさんたちの方が可哀想だよ」と思ってしまう。

そういえば、子供のころは秀吉とか信玄とかに感情移入できた。それが今となっては、思わず雑兵の視点に立ってしまっている。

こういうのを「器が小さい」というのだろう。


2005/9/30

息をしろ

No.63

息をするのが難しい。

もちろん普段は普通に呼吸している。ただ、ちょっとした瞬間に呼吸することを忘れていることはないだろうか。重いものを持ち上げる瞬間とか、床に落ちたものをかがんで拾う瞬間とか。こういう時は、作業を終えた後でひどく疲れる。ただ単に玄関先に座って靴のひもを結んでいるだけでも、体温が上がったような気になるものだ。

だから私は、日ごろから呼吸することを心がけている。自転車のスタンドを立てるときも、カバンを担ぐときも、階段を昇るときも、常に平常心で呼吸をする。是非、皆さんにも呼吸をすることの大切さを覚えておいてもらいたい。最近、疲れやすいなぁと思う人は、呼吸を忘れていることが多いに違いないのだ。

あ。もしかして私だけだろうか。


2005/9/29

エレベーターホールの紳士

No.62

エレベーターに駆け込む人が許せない。

だってそうだろう。長い時間待たされて、ようやくやってきたエレベーターに乗り込んで、ついにドアが閉まると思っていたのに、誰かが駆け込んで来たことで再びドアが開くのだ。誰だって怒りたくもなる。一緒に乗っている人たちも大抵の場合は平静を保っているが、私は結構、本気で腹が立つ。思わず舌打ちしてしまったりするぐらいだ。ものすごく小さい、自分にも聞こえないぐらいの音でだが。

そんな私だから、自分では決してエレベーターには駆け込まない。ぎりぎり間に合うかなと思っても、「あ、上じゃなくて、下に行くんです」というような顔をして、立ち止まる。エレベーターの中でボタンを操作している人から、あえて視線をそらす心配りも忘れない。そして、エレベーターが完全にその階を離れたことを確認してから、おもむろにボタンを押すのだ。それこそが男の美学。ダンディズムだと思っている。

エレベーターホールで紳士的な人物を見かけたら、私だと思ってくれて構わない。


2005/9/28