2011年12月16日金曜日
終わらない会議
それで会議がどうなったかって話です。
先ほども書いたように、EUは全ての国が温室効果ガス排出量の削減義務を負うべきだと言っていて、米国は義務なんて嫌だと言っていて、中国とかインドは先進国だけが削減義務を負えばいいじゃんと言っている。みんな意見がバラバラ。で、結局のところ、ここは曖昧な表現に落ち着いた。このルールについては2015年までに決めましょうということになった。対象は全ての国(all Parties)だけれども、その形式は"a protocol, another legal instrument or an agreed outcome with legal force"となっていて、「削減義務を課す」という厳しい内容になるかもしれないし、そうではない緩やかな合意になるかもしれない。
EUとしては米中印を説得しきれなかったという感じではないでしょうか。せっかく金曜日に終わるはずの会議を日曜日朝まで延長したのにねぇ。
個人的には、中国やインドが「我々はまだ発展途上の国なんだ。国内には貧しい人がいっぱいいるし、国を豊かにするためにやらなきゃならないことがたくさんある。それがどうして、先進国と同じような削減義務を負わねばならないのか」という主張には、納得してしまいます。まぁ、そうだよね。あと、アフリカとか島国の人たちが「この気候変動をなんとかしてくれ」という気持ちにも納得がいく。ソマリアとかのアフリカ東部では60年ぶりの大干ばつで数百万人単位の難民が出ているそうです。最近知ったんですけどね。
「大干ばつの原因は本当に温室効果ガスなの?」と疑う気持ちもありますが、一応、国連交渉の場では気候変動問題を解決するため温室効果ガス削減に向けて努力するということにはなっているので、どうもそれは言わない約束らしい。なにしろ、私が信じようと信じまいと、アフリカの人たちは信じているでしょうからね。それを否定するだけの材料もないわけです。COP17で感じたのですが、新興国の人たちは「産業化で温室効果ガスを排出してきた先進国は地球温暖化の犯人じゃないか。ちゃんと責任とれよな」と言わんとしているわけです。
ただ、先進国の一員である日本としては「そんなこと言われたって、地球温暖化問題解決しようと思ったら、中国とか米国とかが取り組まないと意味ないじゃん。日本とEUだけで削減したって意味ないよ」とも言いたくなります。なにせ、米・中・印・南ア・ブラジルの5カ国で世界の温室効果ガス排出量の50%を占める。しかもこれから経済成長をしていく中・印・南ア・ブラジルは今後も排出量が増えていく。これまでの地球温暖化の犯人が先進国であったとしても、これからの温暖化を防ぐには新興国が何にも取り組まないわけにもいかないでしょう。
やっぱカネかな。先進国がカネを新興国に渡して、そこで何とか削減努力するしかないかな。先進国だって借金まみれでカネはないけど、新興国に比べればカネはあるもんな。あとは省エネだね。無駄なエネルギー使いすぎだ。日本の二酸化炭素排出量は産業部門では90年比約13%減っているのに、民生部門では33%増えてる。間接ベースで。
写真は会期延長があまりに長期間に及んだため、死にそうになっている日本代表団。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿