ベネズエラでチャベス大統領が選挙戦で勝利しました。事前の報道では対立候補のカプリレスさんが結構いい闘いをするんじゃないかと言われていましたが、結局は得票率で10ポイントぐらいの差がつきました。で、米国なんかからは蛇蝎のごとく嫌われていて、国内でも不満が高まっているといわれているベネズエラで、なんでチャベス大統領が再選できたんでしょうっていうことで、ちょっとだけ数字をみてみた。世界銀行のdatabankというサイトが超便利です。
とりあえず名目GDPをみてみると、成長率は04~08年は20%台後半から30%台後半という猛烈な勢いです。ただしこれは、この期間のインフレ率が平均25%という事情がありまして、実質GDPでは5~18%という成長率になります。リーマンショック後の09、10年は実質GDPの成長がマイナス3.2%、マイナス1.5%となりますが、11年は4.2%成長。もちろん先行きには不安があるんでしょうが、チャベスの施政下で経済がボロボロになったとか、長期低迷から抜け出せないということではないように思います。ベネズエラは原油埋蔵量がサウジアラビアよりも多いということらしくって(参照)、問題はその富をどうやって分配するっていうことなんじゃないか。
で、チャベス大統領は貧困対策で大きな成果を上げているっていうことらしいので、そのあたりのデータもあるかと思って、Poverty headcount ratio at national poverty lineというデータをみてみた。National Poverty Lineっていうのは、こういうことらしい。この数字をみていると、チャベス就任前の1998年は人口の50.4%が貧困状態だったけど、この数字は09年には28.5%まで下がっている。Poverty headcount ratio at $2 a dayという数値でも、98年の20.4%が、06年に12.9%に下がっているので、まぁ、そういうことなんじゃないだろうか。
あとベネズエラは治安が悪化しているという記述もよく見かけたのでIntentional homicides(10万人あたり)というのも調べてみると、98年の19.4が、2000年以降に増加基調に入って、09年は49になっている。
っていうことで、原油がジャバジャバ出てくるベネズエラでは、経済はインフレ問題は抱えながらも実質ベースでも経済成長は続いているし、貧困対策では成果が出ているわけです。だからチャベスが当選するのはそんなに不思議な気もしない。ただまぁ、治安も悪くなっているし、反米路線は鮮明ですから、「アメリカとビジネスしたいな」なんて思っている人たちからすればチャベスは邪魔なんでしょう。それに「21世紀型の社会主義」を目指すということですから、民主主義とか資本主義を求める人たちからしてもチャベスは不都合。そんな人たちがベネズエラでも増えてきたけど、やっぱりチャベスを支持する人たちも多いってところですかね。
まぁ、ちょっと調べただけなんで、また機会があったら勉強しておきます。ベネズエラの歴史とか何も知りませんし。
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